2004.05.26リリース
新生Cloudberry Jamの1stアルバム。
メンバーの自信作な本作を、「Providing the atmosphereよりソウルフルで、The world through my eyesよりキャッチーな作品」とJorgenは語る。
ジャケットは、イラストレーター川島淳子さんの作品は、ブラスやタンバリン、ハンドクラップ満載の弾ける様な音楽性とマッチして、暖かでポップでピースフル、そんな印象を受けました。
全曲解説
01.your love
サックスフォンとトロンボーンがバースト!復活は、ドライブ感満点の幕開けだ。
低めに響くバスドラム、歌うように揺れるハイハット。メロディアスなベースライン。
ともすれば、「これって、Cloudberry Jamなの?」と疑ってしまうくらい。
だが、そこにJennieの声が入ると「あぁ、本当に帰ってきてくれたんだ」と安堵するとともに大きな興奮を覚える。
サポートメンバーとして参加しているベースのMartin、ドラムのEricによって持ち込まれたものは勿論だが、
メンバー3人が、解散から再結成までに人間的・音楽的に成熟し、今に至る事を容易に推察できる。
Jennieのソロアルバム以降、Jennie自身が積極的にコーラスに参加しているのも大きな特徴だ。
02.If you leave me now
引き続き炸裂するブラス隊、タンバリンにハンドクラップ、サビ前の派手なドラムロール…
3ピースバンドPhoneにも通じたシンプルな楽曲は、Jennieの作品。
Cloudberry Jamらしい味付けが随所に見事に施され、私たちの気持ちを盛り上げてくれる。
03.my everything
Jennieのソロライブで聴かせてくれた名曲が、正式版として収録。
スケール感のあるバラードで、最大の見せ場はJennieが「always there for me」とソウルフルに歌い上げながら、Henrikのオルガンソロに入るところであろう。
新生Cloudberry Jamの新たな一面を垣間見る事ができる珠玉の作品。
04.let the man
Martinのアップライトベースが、「ボン・ボン」と鳴りながら始まる本曲は、異色の存在で意外にもJennieの作曲。
Jennieは、解散後のパンクポップバンドPhoneでベースをプレイしている歴としたベーシストである。
いかにもベース主体で作曲されたと言う印象がある。
ソロアルバム制作の時期から、Jennieは作曲に強い興味を持ち、楽しみながら取り組んでいる。
※注:Jennieは、ギターを使って作曲します
05.when tomorrow comes
私たちはこれを待っていた!
この上なくポップなブラス(サックスフォン、トロンボーン、トランペット)
軽快なカッティングギター。中音域を、まるで流れの緩い水の中を泳ぐ様に、伸びやかに、時にささやくように歌うJennie…
「緩く」と言うと語弊があるのだが、「70%の力を100%出し切ってる」そんな表現ならどうだろう?
歌唱力のあるJennieだからこそ為せる技だ。
「もうすぐ夏だし、旅に出よう」と言う、気持ちも弾む曲で、曲中出てくる地名が暖かい都市(パリ・カイロ・リオ)ばかりなのが、北欧で育った彼ららしい。
デモの段階は「when the morning comes」と言うタイトルだったが、Jennieが歌詞を書き直した事により本タイトルとなった。
06.no matter why,no matter what
もっともソウルフルな雰囲気を感じさせる楽曲で、アルバム中、唯一Henrikが作った曲でもある。
2ndソロアルバムをレコーディング中だったJennieに、Henrikがこの曲を聴かせた事が再結成に至る一つのきっかけにもなっている。
THE FREQUENCY BENDERSを思わせるHenrikのキーボード、Jorgenのワウギター、そしてジャジーなサックスフォン、全てがクールだ。
もちろん、そこにJennieのアルトボイスが欠かせないのは間違いない。2声のコーラスも美しい。
Cloudberry Jamの中でポップな部分はJorgen、ソウルフルな部分はHenrikによるものであろう。
例を挙げれば、ソウルフルなTHE FREQUENCY BENDERSはHenrik主導だし、ポップなJennieのソロはJorgenのプロデュース。
今回この曲が入る事で、アルバムの構成に幅を持たせる事に成功したと言えよう。
Cloudberry Jamが解散せずに4作目を出していたなら、きっとこの様な方向性になっていたかも…
そんなイマジネーションを働かせてしまう、不思議な魅力を持った曲だ。
07.ain’t gonna
サポートメンバーで、自分自身もSplicerと言うバンドで活躍しているMartin
本作は、そのMartinとJennieの共作である。
Martinが奏でるアコースティックギターの音色と、憂いのあるHenrikのキーボードが琴線に触れる。
MartinとEricはサポートメンバーと言いつつも、違和感なくバンドに溶け込んでいる。
二人はJennieのソロアルバムでもサポートメンバーとして、レコーディングやライブに参加していた実力の持ち主。
他にもMartinとJorgenは、MartinのバンドSplicerで、EricとJorgenはClay Allisonを通じて密接な関係にある。
まぁ、それが無くても地元の飲み友達ではあるらしいのだが…(笑
08.simple sweet mistake
まるで初期のCloudberry Jamの様に、バンド色の強い弾けた楽曲。
Jennieのソロライブで披露した時は”sweet mistake”と言うタイトルで、未発表にも関わらずオーディエンスが大きな盛り上がりを見せた曲でもある。
Jennieのハズバンドであるヨナスも「これは良い曲だねぇ」と思わず唸ったらしい。
一度聴けば、その気持ちは分かるはず、美しいメロディラインでアルバム中、屈指の名曲だ。
09.can i stay
同じくJennieのソロライブで披露した、Jennie自身の作品。
「今日は挫けてしまったけど、かならず良い日が来るって信じても良い?」と前向きな気持ちを歌っている。
Jennieのソロアルバム以降、前向きな詞が多い事に気付くだろう。
解散前の様々なプレッシャーから解き放たれた、彼女の内面が滲み出て来る様な作品だ。
10.people are starting to care
Ericの歯切れの良いハイハットが印象的な曲で、アレンジにもこれまでとは違う手法を用いている。
元々はデコレイティブな演奏だったが、幾度となくセッションを重ね、収録されたアレンジに落ち着いた。
など、彼らの新たな一面を垣間見る事のできる曲だ。
「人類が互いに思いやる夢を見た。夢を諦めるべきではない」と歌う歌詞とポップなリズムが見事に融合している。
11.waiting for someone
Jennieのアカペラで始まる壮大なロックチューンは、意外にもJennie自身の曲である。
切々と歌い上げ、勢い溢れるカッティングギターが加わり、サビ前で鮮烈なドラムロールが訪れる。
この曲でのJorgenのキラキラとしたギターの音色はどこから出てくるのだろう?
決してエフェクターを多用するスタイルのではないのに…
Henrikが演奏する鉄琴もまた、印象的で楽曲に色を添える。
また、Jennieの伸びやかで艶のある声を最大限に生かしている作品で、ライブで盛り上がりそうな曲だ。
12.simple sweet saxphone
セッション模様を抜粋して収録したのが本作。
Cloudberry Jam時代にあった「intermission」の様に打ち込みに頼った作品とは違い、ブラスとリズムセクションの生音を重ねてある。
収録曲
- your love
- If you leave me now
- my everything
- let the man
- when tomorrow comes
- no matter why, no matter what
- ain’t gonna
- simple sweet mistake
- can i stay Jennie
- people are starting to care
- waiting for someone
- simple sweet saxophone